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糖尿病足病変

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概要

糖尿病の患者さんには神経障害・血行障害・免疫力の低下を起きます。そのため、靴擦れ、乾燥・ひび割れ、タコ、ウオノメ、変形、陥入爪、壊疽、白癬などさまざまな足の病変を引き起こしやすく、また些細なことであってもそれが重度の症状に悪化しやすくなります。 このように糖尿病を起点にした足の疾患を糖尿病足病変といいます。

原因

足は心臓から遠く、血流が悪くなりやすいことがその原因です。また糖尿病などの足の血流が悪くなる基礎疾患を持っている患者さんは、足に傷ができやすく、なおかつ慢性化しやすくなります。

症状

注意すべき初期症状としては、「足の色が悪い、痺れる」などがあります。ただし、糖尿病の患者さんの場合、神経障害があるため前兆としての痛みなどがあまりみられないことがあります。その場合には角化(たこやうおのめなど)が前兆として現れます。

検査・診断

足の慢性的な傷に対して行う検査には、以下のようなものがあります。

ABI

ABIは、最も一般的な検査です。ABI検査(足関節上腕血圧比)とは、足首と上腕の部分の血圧を測定し、その比率(足首収縮期血圧÷上腕収縮期血圧)を計算したものです。動脈硬化(アテローム硬化)の進行程度や血管の狭窄(すぼまって狭くなること)や閉塞(閉じてふさがること)などの推定に、広く一般的に使われています。

CTアンジオ

CTアンジオとは、造影剤(画像診断の効果を向上させるための薬剤)を用いながらCTスキャンで画像撮影をすることをいいます。足全体のなかで、どこの血流が悪いかをチェックします。

SPP(皮膚灌流血圧)

SPP(skin perfusion pressure)とは皮膚灌流圧(ひふかんりゅうあつ)ともいい、皮膚直下の血流を検査する装置です。まず、マンシェット(血圧を測るときに用いる、空気を注入して腕などを締め付けるための袋帯)で強く圧をかけることで、血流を途絶えさせます。一旦途絶えたら、今度はマンシェットを緩めます。緩めていった地点から血液が流れ始めるので、その時点での血圧を測るという仕組みです。

治療

治療法は、足の血流が良い場合と悪い場合の2つに分けられます。

足の血流がよい場合の治療法

足の血流がよい場合には、「デブリードマン」という施術を行い、汚い組織を取り除きます。デブリードマンは壊死組織を取り除き肉芽形成を促すほかに、あえて出血をさせて血液(血小板)に含まれる成長因子を引き出す効果があります。

足の血流が悪い場合の治療法

血流が悪い場合は、外科的にバイパス術を行って血管をつないだり、カテーテルによる血管拡張術を行うことによって、まず血流をよくすることを目指す治療を行います。血流がよくなったら、「デブリードマン」を行い、早期の治癒を促します。 血流が悪い場合には、まず血流を改善する治療を行います。

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